ネロリは日本人にも親しまれてきた!ネロリと日本の関係とは?

アジアからヨーロッパへと伝わったネロリ

エッセンシャルオイルの香りを使った自然療法のアロマテラピー。ヨーロッパのイメージが強いと思います。ごくわずかしか抽出できない希少なアロマ「ネロリ」も、ヨーロッパの貴族の間で流行しました。しかし原料となるビターオレンジのもともとの原産地は中国やヒマラヤ、インドです。ここから他国へと伝わり、現在ではイタリアやフランス、モロッコ、ポルトガルなどの地中海沿岸地域で広く栽培されています。

ビターオレンジは柑橘類、ミカン科の植物です。名前の通り苦みがあり、酸っぱい果実が実ります。その酸っぱさから「サワーオレンジ」と呼ばれることもあります。

ビターオレンジは3~5月の時期に花が咲きますが、花を咲かせるまでに4年ほどの時間がかかります。その中でも20年以上育った樹に咲いた花から取れるアロマが最上級とされています。アロマを抽出するためには、咲いて間もない花しか使えません。一つずつ手で摘み取る必要があるため、栽培までの時間はもちろんのこと、手間暇がかかります。その上、花の1000分の1しか、アロマを抽出することができないのです。1kgのアロマを得るためには、1000kgもの花が必要となりますから、とても希少価値が高く高価なアロマです。

ネロリは日本人にも親しみのある柑橘

ビターオレンジは、日本名ではだいだいといいます。お正月のしめ飾りや鏡餅などに飾る果物ですから、日本人にとっても親しみ深い植物といえるでしょう。

だいだいは冬に実が付きますが、オレンジ色に熟しても木から落ちず、春がやって来ると元のグリーンへと戻ります。そして木から落ちることなく、2~3年も実り続けるのです。この特徴から、「だいだい(代々)」と呼ばれており、末永い繁栄を象徴する、おめでたい果実だとされてきました。お正月にだいだいを飾るのも、「代々続きますように」と縁起を担いでいるからです。

ネロリの原料であることからヨーロッパ生まれの柑橘類だと思われがちなビターオレンジですが、実は日本でも縁深い植物なのです。

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