イギリス人はオレンジが好き
柑橘類の中で日本人が大好きな果物といえばミカンです。特に冬になると旬を迎えるため、たくさんの人が購入したり、またはギフトとして自宅に送られてきたりするのではないでしょうか。しかしミカン好きは何も日本人だけではありません。実はイギリス人もミカン類が大好物なのです。ミカンには色々な種類があり、ヨーロッパではミカンのような甘みが強い果物をスイートオレンジと呼んでいます。
イギリス人がオレンジ好きな一端として、イギリスで暮らしていた人ならご存知かもしれませんが、スーパーや市場では必ず多くのオレンジが並んでいます。自国だけでなく、世界中から輸入されたオレンジがイギリスに届いているのです。
イギリスでは昔オレンジが最高のおもてなしだった
古くから自生していた日本と違い、ヨーロッパの国々では環境の面の違いからオレンジは存在していませんでした。オレンジは15世紀に、かの有名なポルトガルの航海者で探検家のヴァスコ・ダ・ガマによって発見されています。ヴァスコ・ダ・ガマは香辛料とともにスイートオレンジも船で持ち帰ったようです。一旦これらの物資はポルトガルへと運ばれますが、それが後にイギリスへと輸入されて、人気に火が付きました。
虜となったのはイギリスだけではなく、ヨーロッパ中がその甘みと少しの酸っぱさに魅了されました。そしてオレンジの栽培が大流行したのです。しかしイギリスでは栽培は難しいことでした。甘いミカンは温かい地域でしか育たないからです。イギリスの緯度(赤道を中心とした南北の位置をはかる座標)は北海道とほぼ同じなのです。
そのため、現在でもイギリスは温州みかん(甘いミカンの属名)の最大の輸入国となっています。オレンジはジョージアンやヴィクトリア時代は、輸入か温室での栽培しか選択できないため大変貴重な品でした。一部の貴族しか食べられなかったようです。そのため貴族の食卓でオレンジを出すことが最高のもてなしでした。