みかんの栽培の歴史。長崎県のみかん栽培の始まりについても紹介

世界的にみかん栽培を初めて行ったのは中国

柑橘類の原産地は約3000万年前のインドあたりとされています。しかし、自国に自生していた実を食料としていただけで栽培には至らなかったようです。

1番初めにミカンの栽培を始めたのは意外かもしれませんが、中国でした。紀元前2世紀頃の文献にその記述が残っています。さらに4千年前の中国の栽培史には柑橘類を柑、橘、橙と分類し、たくさんの種類の柑橘類の栽培を行い、その特徴や特性が詳しく書かれていたようです。

 

日本のみかん

日本でミカン栽培が始まったのはいつの頃なのかは定かではありません。中国やインドから持ち帰って栽培したという説と、始めから日本で自生していたものを栽培したのが始まりという説があります。

しかし、日本で初めてミカンが栽培されたのはかなり前のようです。今の甘いミカン類ではない品種(コミカンや柑子)は少なくとも室町時代より前、平安時代より後くらいには栽培が始まったものと思われます。

 

長崎県のみかん

今残っている資料によると、長崎県でミカン栽培がはじまったのは江戸時代の頃だったようです。佐世保市で「江上文旦(えがみぶんたん)」が、平戸市では「平戸文旦(ひらどぶんたん)」の栽培が始まりました。

柑橘類で出荷数が随一の「温州(うんしゅう)みかん」は1780年頃に鹿児島県から取り寄せられて、伊木力村(現在の彼杵郡多良見町)で栽培を行ったのが始まりと伝わっています。その地で良質なミカン栽培に成功したことで、その後、伊木力村の温州ミカンは全国へと出荷されました。

昭和になると、国が果樹生産を発展の安定化をはかるための法律「果樹農業振興特別措置法」を施行したことにより、ますます長崎県ではミカン栽培に力を入れていきます。昭和49年に温州みかん(今の甘いミカンのこと)の収穫量は20万トンを超えたほどになったようです。その後段々と落ちましたが、2018年には約5万トン、日本の柑橘類の約6割が長崎県産となっています。

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