「蜜柑」という漢字は室町時代につけられた
私たちが普段食べている甘くて美味しいミカン。漢字で書くと「蜜柑」になります。この蜜柑は常用漢字から外れる表外漢字だそうですが、いつ頃から使われてきたのか知っていますか?実は室町時代に付けられた漢字だそうです。1336年~1573年間のことです。その時代に蜜柑の漢字があてられて、徐々にミカンと呼ばれるようになりました。
そんなミカンを含む柑橘類は、そもそも古く中国から持ち込まれたと伝えられています。中国語ではミカンのことを柑(かん)と呼んでいて、日本では唐から伝わった果実をこの漢字から取って「柑子(こうじ)」と呼んでいました。柑子とはミカンよりも小さく酸味が強い品種のことです。かなり古い時代から日本で栽培されていました。
室町時代まで今の甘いミカンの品種は日本には存在していなかったため、蜜柑の漢字も当然無かったワケです。その後、中国から現代のミカンの品種がやってきて、日本での栽培が始まりました。その輸入されたミカンが、今までとは違い大変甘く美味しいことに当時の人たちは感銘を受けたそうです。そこで、これまでの柑子の「柑」に、蜜のように甘いから「蜜」を付けて「蜜柑」という言葉が誕生しました。それが全国に広まったのです。
そしてこのミカンですが、元々は今より小さいサイズだったようです。江戸時代に品種改良を行うことで今に伝わる大きさに変化を遂げました。
みかんは最初は「みつかん」と呼ばれていた
室町時代に蜜柑という字が広まったミカンですが、当初は「みかん」ではなく、「みつかん」と呼ばれていたようです。漢字そのままの意味です。それが室町時代中期頃から「みつかん」から「みっかん」と変化しました。
17世紀に書かれた日本語を訳したポーランド辞書には、ミカンの欄に「miccan(ミッカン)」という記述がありました。元々は「みつかん」と呼ばれていたミカンですが、「みっかん」に変化し、長い年月が経過するとともに「ッ」が省略されていったのでしょう。