プロポーズや婚約にまつわるオレンジの素敵な話
柑橘類の1つであるオレンジ。その中のビターオレンジの花からはアロマオイルや香水で人気のネロリが抽出できます。オレンジは遥か昔、インドから中国へと伝わり、日本に伝来しました。日本では「橙(だいだい)」の名前でお馴染みのあの果物です。
そんなオレンジには、実は花嫁にまつわる素敵なジンクスがあります。時は19世紀から20世紀前半のヨーロッパにさかのぼります。当時のヨーロッパ諸国では、産業革命や都市の近代化などを経て、これまでギルドや封建制度で職業選択の自由がなかった人たちが、なりたい職につけるようになってきました。ほとんどは工場内重労働などの肉体労働でしたが、つける職業の幅は前よりも多かったので、夢を抱く若者も増えたようです。
そんなヨーロッパの男性たちはプロポーズする際は、オレンジの実を女性に渡して結婚の申し込みを行っていたそうなのです。さらにはプロポーズが成功して婚約したときは、女性に毎日お花を届けるという素敵な習慣があったのですが、その贈ったお花のほとんどがオレンジの花を選んでいたようです。オレンジには素敵な逸話が多いために、男性はこぞってオレンジの花を渡したのではないでしょうか。
スペインにはオレンジの片割れという情熱的なセリフがある
「オレンジの片割れ」という言葉をご存知でしょうか。ある有名アーティストの曲の歌詞に取り入れられたことで有名になった一節です。これはスペインのことわざとして、ごくごく日常的に用いられているセリフです。スペイン語であらわすと「T? eres mi media naranja.(トゥ エレス ミ メディア ナランハ) 」で、あなたは私のオレンジの片割れという意味になります。
オレンジの片割れは、オレンジを半分に割ったときに、その片方にぴったりと合うオレンジは他にはないから、「あなたは私の運命の人だ」「生涯ただ唯一の人」というニュアンスで使われるようです。スペイン人はかなり情熱的ですよね。