ネロリとはどんな香り?
橙の花から抽出されるネロリは、柑橘系ならではの明るく爽やかな印象がありながらも、とても上品でやわらかな香りです。この香りを嗅ぐと、高ぶってイライラしていた心が落ち着き、気持ちを前向きにしてくれます。やわらかな香りの中に、ほのかに柑橘の皮のようなほろ苦さのアクセントがあり、一度嗅ぐとずっと記憶に残るような魅力的な香りです。
労力を惜しまず手で一つ一つ丁寧に摘まれた大量の花から、ネロリのエッセンシャルオイルはほんの少量しか抽出できません。そのため希少価値が高いですが、この香りに癒しを求めて、世界中にネロリの愛好家がいるのは納得できます。
「ネロリ」という名前の由来は、17世紀にイタリアにあったネロラ公国にあると言われています。その国の当時の王妃がネロリの香りをこよなく愛していて、入浴時に使用して体に香りをまとわせたり、手袋の革の臭い消しにしたり、手紙にもこの香りを付けて楽しんでいたようです。上品なネロリの香りは、世代を超えて女性に好まれてきたことが分かります。
橙からは3種類のエッセンシャルオイルが採れます
ネロリは橙の花から抽出されます。橙はヨーロッパではビターオレンジと呼ばれています。このビターオレンジは花だけでなく、果実の皮や、枝葉からもエッセンシャルオイルを抽出することができます。
果実の皮からは、「ビターオレンジ」が採れ、その香りは柑橘系らしいフレッシュな爽やかさがあります。似たものとして、「スイートオレンジ」があります。こちらは、食べても美味しいオレンジの皮から採れたもので、子供からお年寄りまで全ての年代の方に好まれる、瑞々しくて甘酸っぱい香りです。ビターオレンジの方が深みがあり、大人っぽい印象です。また、枝葉からは、「プチグレン」が採れます。ウッディな中にも華やかさのある爽やかな香りが特徴です。
このように橙は、3種類のエッセンシャルオイルを採ることができます。その中でも、ネロリが一番希少価値があります。