1.オーガニックと無添加は違うもの
オーガニックのシャンプーやボディソープなどを探す上で困るのが、無添加の表記です。個人的な話をすると、現在オーガニック食品の生産に携わっていますが、それでもコスメのオーガニックと無添加の違いには戸惑ったものです。まず、オーガニックと無添加はコスメの分野では全く意味が異なり、無添加とは名前の通り添加がないという意味で、配合されていない状態とも言い換えられます。ただ、問題は何が配合されていないのかで、無添加だからといって化学成分が配合されていないとは限りません。合成界面活性剤無添加と書かれていたら、名前の通り合成界面活性剤が配合されていないという意味ですが、合成界面活性剤以外の化学成分についてははっきりしません。他の化学成分が配合されている可能性はそれなりにあるので、しっかりと成分表を確認して欲しいと思います。
2.無添加だからオーガニックとは限らない
ただ、具体的な何かを無添加だと表記している場合はまだ分かりやすい方で、無添加と表記されているけれども、何を配合していないのかパッケージから伝わってこないコスメもあるのです。そういう無添加の内容がよく分からない場合、旧表示指定成分を配合していないコスメだと考えてください。今でこそ、コスメに全ての成分が表記されていますが、昔は全ての成分が表記されてはいませんでした。しかし、成分の中にはアレルギーなどの肌トラブルを引き起こしかねないものもあり、肌トラブルの危険性がある102種類の成分については昔から表記が義務付けられていました。旧表示指定成分とはこの102種類の成分のことですが、2001年4月以降は全ての成分が表記されるようになったため、現在は旧表示指定成分についてくわしく知っている人は少ないのではないかと思います。無添加と表記されているけれど具体的なものが分からない場合、旧表示指定成分を配合していないという意味合いで使われていることが多いのです。このように、無添加とオーガニックは同じものではないので、しっかりとオーガニックのシャンプーやボディソープを選んで欲しいと思います。(2020年現在)